先週の話になるのですが
千歳にあるサケのふるさと水族館に行ってきました。この水族館はサケと冠する通り国内でも珍しい
淡水魚専門の水族館。飼育されている魚もサケ類を筆頭に全てが淡水域出身
ミンク等の珍獣も少数ながら展示されていますが、この水族館に来た目的は展示されている生き物を見る為ではなく
水族館隣を流れる千歳川の水中を覗く為。ここには川底を覗ける窓がありまして、その窓から千歳川にいる野生の生き物を見ることができるのですよね。そうサケのふるさと水族館は全国的に珍しい淡水魚専門の水族館に加え、水族館にいながらにして野生動物を観察できる、極めて希少性の高い水族館でもあるのです
今は10月。つまり今は鮭の遡上シーズン。遡上シーズンということは...?
千歳川も勿論シーズン真っ只中!沢山のサケ達が上流に辿り着こうと前進し、前はサケ後ろはサケと車ならぬサケの渋滞。このフロアにあるサケの解説ボード曰く、このサケは
・北海道から遠く離れたベーリング海とアラスカ湾で約3〜6年程過ごした
・海から川に戻る最中並びに遡上中は終始断食。5週間は何も食べていないらしい
・千歳川河口からここまで約70kmもの距離がある
・卵の状態から遡上まで漕ぎ着けるサケの割合は約5000分の1
等人間含めた色々な動物の生がヌルゲーに思える程の過酷な生態が書かれていました。つまり今遡上中のサケは全て過酷極める北の海の生存競争を生き延びたエリート中のエリート。歴戦の戦士だけあってきれいなサケは全くといっていい程おらず、どれも傷ついたサケばかり
トド等に襲われたであろう大きなダメージを負ったサケもちらほら。例えボロボロになっても子孫を残す意思を強く感じるのだから、サケ含めた野生動物には常に驚かされるばかりです
千歳川は屈強なサケをも押し流す流れの早い川。今遡上しているサケ達も例に漏れず沢山押し流されていましたが、どれだけ押し流されてようと戻るものはおらず、全てのサケが前を向き必死に流れに逆らい続けていました。サケに心があるかはわかりませんが、子孫を残すという本能がサケを突き動かしているのでしょう
水流の影響が少ない水中窓に陣取り休憩を挟むサケの姿も。真面目に流れに逆らうサケがいればこうして休むサケもいる。個性といえばそうかもしれないし違うかもしれない。興味深いですね
上から見た千歳川。細長い物体が見えるかもしれませんが、これ全部サケです。遡上中のサケを釣るのは特定のスポット以外禁止されているので川では釣れませんが、もし釣り糸を垂らしたら入れ食いになるのでしょうか。複数のサケが一斉にヒットしたら、川の藻屑になりそうな気がします
この水族館でサケの生態そして自然界の神秘と過酷さを目で沢山感じました。サケといえばイクラ、イクラの旬は秋。今は秋それも本格的な秋
なので
今日小熊商店という札幌二条市場にある魚屋さんで
でーん!うっめっ!なんだこれうっめっ!
ご馳走様でした