のうそこの若者よ。ちいと昔話を聞かぬかえ？
このアストルティアにはのう。ガメゴン族という見るからに亀なドラゴンがおるんじゃ。そのガメゴンが持つアイテムが「あぷで」なる現象で変わって、彼等が知らぬ間に別のアイテムになったのじゃよ
これじゃ。この水竜のうろこと呼ばれるアイテムがそれはもうとんでもない高値で売れて、地味な存在だったガメゴンはあぷでを境に冒険者達のお尋ね者となったのじゃよ
ガメゴンからガメゴンミチまで、それはもう数多のガメゴンが冒険者達によって倒された。彼等は比較的強めな種族ではあるのじゃが、強さに限界のない冒険者達には敵わなかったのじゃ
冒険者達の新たな可能性を目覚めさせるガメゴンレジェンドですらその冒険者には敵わず、あまつさえ冒険者にとって欠かせない彼はハズレのレッテルを貼られた。何故なら水竜のうろこを落とさないから。恩人ならぬ恩亀がハズレ扱いとなるのは、格差を感じて切ないものじゃのう
ガメゴン族の英雄も冒険者達には当然ながら敵わなかった。時代の流れというものじゃのう
一時期はとんでもない価格だった水竜のうろこじゃが、あぷでから数時間経過し冒険者達が増え、うろこの供給量が急増したことによって、あぷでから１日も経たない内に価格は急落。今ではかつての高値が嘘だと思うくらい安くなったのじゃ。明智光秀が三日天下なら、ガメゴンはさしずめ一日天下といったところかのう？ガメゴン達が乱獲されたのはもう昔の話。昔の話だから昔話ってかっかっかっ！亀だけに出した首を引っ込めるスピードが速かったって。ここ笑うところじゃよ
これでガメゴンの昔話は終わりじゃ。思えばあやつら亀なのかドラゴンなのか、よくわからん姿をしているのぅ。キメラといい勝負かもしれん。さてと、わしはもう行くぞよ。今の時代何かと忙しいが、亀の精神でゆっくり頑張るのも大事じゃ。のろのろとな。かっかっか！
